クリスチャン・ラッセンは、日本でもっとも売れた画家の1人といっていい存在です。彼が好んで描くイルカのモチーフの版画を見たことがない人はいないといえるほど、あらゆる場所に彼の版画が飾られていました。彼の日本における商業的成功は、アールビバンという絵画販売企業の存在なしには語れません。そして、この企業が毎年開催する展覧会が「ラッセン展」です。
ビジネスの場としての意味もある「ラッセン展」
この「ラッセン展」は単なる作品の展示会ではなく、作品の販売もおこなうビジネスとしての側面も強いイベントです。基本的に版画として販売されているラッセンの作品の原画を展示することで、その作品の素晴らしさをアピールし、それを版画の売り上げにつなげていこうという意図がそこにはあるのです。